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第1回 ニッポン豆腐屋サミット(東京)

全国豆腐業界に新風!若手豆腐製造事業者の存在感を示す。確かな、明日へ! 「第1回ニッポン豆腐屋サミット」開催

去る12月3日(土)・4(日)の両日、記念すべき第1回となります「ニッポン豆腐屋サミット」が開催されました。全豆連青年部活性化推進委員会(東田和久委員長/全豆連常務理事)が当初「全国青年部代表者会議」として企画し、スケールアップして開催された同サミットは、全豆連はもとより豆腐業界としても初めてとなる催しとなりました。当日の参加者は、業界の明日を担う北は北海道から南は熊本までの事業者の皆様、関係団体・企業(全豆連賛助会員・協賛企業)など総勢110名。併催された「全国豆腐試食会」には40品にも及ぶエントリーがありました。(同サミットの詳細は会報「全豆連」第330号(平成24年新春号)にて掲載致します。)

東京都組合青年部・糸井正孝氏による開会宣言に続き、主催者を代表して全豆連・齊藤靖弘会長より「このサミットが研鑽の場として豆腐業界の未来を語り合い、連携を強める貴重な場としよう。それぞれの事業発展の機会としていただきたい。また、夢と希望に満ちた業界の将来像が垣間見えることを大いに期待している。」と激励の挨拶があり、続いて、全豆連青年部活性化推進(委)委員長・東田和久常務理事より業界組織の重要性と若手豆腐屋の奮起・意欲向上を願うサミットメッセージ「若手業界人へ期待すること」が伝えられました。

小休止の後、「全豆連おとうふ大使」木下あおいさんよりの活動報告の後、「地域での活動と業界発展のためにすべきこと」をテーマに、㈱おとうふ工房いしかわ代表取締役・石川 伸氏のリードで、北海道・関東・関西・九州の各地区より選出された各氏による活動の報告に加え、各地の現状、業界の展望等について白熱したパネルディスカッションが行われました。

続いて当面する問題であります放射能問題について、一般財団法人 東の食の会・高橋事務局長様による「民間による自主検査プロコトル(手順)」の説明が行われました。同会は、原子力の専門家、経産省、農水省などの省庁と民間有識者大手企業・団体等からなる組織です。食の安全、安心に関して企業を支援する団体で、昨今大きな問題になっている放射能汚染について正確かつ速い放射線量測定に取り組んでおり、今後の動向に注目が寄せられております。

当初予定の人数を大幅に超過したことにより、全国豆腐試食会と懇親会はセミナー会場に程近いFIFA日本サッカーミュージアム・ヴァーチャルスタジアムに急遽変更し開催されました。
試食会には、北は北海道から南は沖縄までの19都道府県より40点にも及ぶこだわりの豆腐・豆腐製品がエントリーされ、その光景は壮観。統一されたエントリーシートへ商品名、内容量、販売価格、事業所所在地、出品者、原料大豆名・産地、使用凝固剤(企業名・商品名)、特記事項等の商品情報をご開示いただき掲出しました。気候風土や地域性、文化による特性が垣間見れた試食会となりました。

懇親会では、サッカーミュージアムよりのサプライズゲストとして、元横浜マリノスでフランスW杯に出場したサッカー元日本代表の小村徳男さんが駆けつけ豆腐業界へエールを送ってくださいました。東田委員長の挨拶に続き、全豆連・齊藤会長、ご来賓のアメリカ大豆協会・ジェイムス・W・エックル代表にご挨拶をいただき、吉川商事㈱東京営業所・吉川貴士所長様の乾杯のご発声で杯を上げました。

賛助会員・協賛企業の皆様、絶大なるご協力誠にありがとうございます!!

試食会場では、全豆連賛助会員・協賛企業の皆様(アメリカ大豆協会(アメリカ大豆関連資料)、㈱サンギ(おから茶)、㈱山忠(ひじき白和えの素)、海の精㈱(とうふの塩)、㈱ウッドライン(AQUAクリーン)、この程新規ご加入されましたエスオーシー㈱(温泉水99)(敬称略・順不同)の皆様。)の関連製品等もご紹介されました。初めて目の当たりにする事業者も多く、ご商売のヒントにと担当者の説明に熱心に耳を傾けておられました。豆腐業界の心強いサポーターに改めて感謝申し上げます。

2012豆腐フェアに向けて、「おとうふ大使」と「おから大使」が初顔合わせ!

懇親会の席上、「全豆連おとうふ大使」の木下あおいさんと、この程「豆腐フェア関西おから大使」となられました家村マリエさんが初対面。木下さんからともに豆腐業界発展に尽力するべくタスキの贈呈が行われました。

今回も全般にわたりお手伝いいただいた「きらきらエプロン隊」の皆様。業界振興への貢献に感謝いたします。

翌日12月3日(日)

翌日12月4日(日)には、早朝7:30よりモーニングディスカッションが開催されました。㈱山下ミツ商店代表取締役・山下浩希氏のリードにより、豆腐製造・販売戦略・リーダーシップの3つのカテゴリーに分かれ、各自希望するグループにおいて日々直面し、共有しているテーマについて真剣な討議が行われました。冒頭、各グループの参加者からは「まさにこれこそ豆腐屋サミット」、講演も素晴らしかったが、このような企画にもっと時間を割いていただき、より多くの皆様と意見交換する機会を作って欲しいとの要望をいただきました。(内容は後述)

9:00より、「ものづくりの革新を生み出す原点回帰~未来の伝統への挑戦~」 と題して、堀木エリ子氏(堀木エリコ&アソシエイツ代表取締役)の講演が行われました。

日本の伝統、和紙づくりは1500年の歴史と伝統を誇っていますが、伝統を踏まえつつ、そこから大きく舵を切るものづくりに対する並々ならぬ英知、努力と勇気ある姿を自らのエピソードを踏まえこの講演でご教授頂きました。豆腐の歴史も2000年以上を数えており、伝統食品として当業界と共通する点も多く、和紙が持つ特質を生かしながら従来になかった用途・製法を次々と開発、型破りの発想で建築・芸術等新しいジャンルに次々と挑戦する氏の和紙に賭けた「パッション」(熱情)は壮絶で、その姿勢に大変勇気付けられました。そのためには、「出来ない」という原因を解決することが重要で、「夢は語らなければ実現しない」、「やってみる」この2つがモチベーションを上げるうえで大事であるとお教えいただきました。

講演終了後、早朝より行われたモーニングディスカッションの結果が各セクションより発表されました。

当社は、豆腐・納豆・味噌を製造しております。納豆と味噌においては室で24時間発酵させるところから、美味い納豆・味噌には「正解」があるように思います。しかし、今日も10件の方々からそれぞれの製造方法をお聞きしましたが、豆腐作りにおいてはまさに千差万別で、にがり100%の豆腐をどう作るか(ワンツー寄せの手法)や豆の炊き方、豆乳の濃度など全員見事にバラバラで同じ作り方がなされておりません。つまり、美味しい豆腐作りには「正解」が無いのだということです。更に、原料大豆や凝固剤のバリエーション等々が加わることによって豆腐作りは更に複雑になり製品も多種多様となります。それぞれの豆腐事業者が情熱を持って日々精進、試行錯誤・探求してこだわりの豆腐製造を行うことには終わりはないということを痛感致しました。

このセッションには8社の参加。各社販売の形態が違いスーパー、病院や老人ホーム、移動販売など。移動販売ではお客様の顔が見えるので、やり甲斐があり楽しいが、デメリットとしては、採算が取れるまで時間を要し、資金面で負担がかかる。また、他人が入ると金銭の管理が重要となります。大企業に勝つ戦略として量販店を相手にした販売では、出来立ての温かい豆腐を30分以内に納入し、その日の内に食べてもらうという方法をとっています。直売所のように作って直ぐ量販店に届けるのも一つの方法ですが、場所に限定されます。午後一番に作って3~6時(3時間)限定で、売切れご免という販売方法もある。本来賞味期限は1日ではデメリットとなるが、これをメリットに変えている。何事にも常に熱い思いで仕事に取り組めば道は必ず開けると一同確信した次第です。

リーダーシップを発揮するには?
「課題を考えさせること。」「目標を設定すること。」「実行させること。」「部下を褒めること。」「モチベーションをあげること。」が肝要で、

当業界におけるリーダーとはどんな人か?
「自分のあり方を明確にしている。」「豆腐製造へ誠意をもってとりくんでいる。」「コミュニケーション能力が高い。」「従業員に気配りができる。」「褒めて育てる。」「育て方にストレスを溜めない。」

目標設定として、
「2人以上は組織である。」「組織はコミュニケーションを重視すること。」「目標を立てるだけでは駄目、いかに実行に移すかがリーダーに問われる課題である。」

続いて、参加者全員より決意表明があり、豆腐業界の現在・過去・未来について、各々が抱負を語られました。次回「第2回ニッポン豆腐屋サミット」は2013年3月に宮城県仙台市で 開催したいとの要望がありました。 故・田中角栄氏が全豆連に寄贈くださった「以和成貴(和を以て貴しと成す)」の本意は、単に「仲良く」という意味にあらず、「道理を正しく見出すために派閥や党派のようなこだわりを捨てよ。」と教えています。身の引き締まる思いとともに胸に刻まれた2日間となりました。

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